エッセイ・コーナー  KAZUOは要りませんか?

しまむらかずおが描くつれづれ(その11)  第51話~第55話

51-52 写真
55-RYOMA


第55話 「RYOMA」  by しまむらかずお


 

「ミュージカルRYOMA」のDVDの発送を終えた。

 

6月の「K‘sシアター」の大型スクリーンで上映するために

当時のビデオ撮影会社に頼みこんで

元テープからDVDにしてもらった。
お蔭でシアター当日は、大迫力で感動を共有できた。

 

当時の録画は無論VHS。

録音は、カセットテープ。

私の部屋には、その両方が山ほどある。

いずれも再生機器があるにはあるが

はてさて、ちゃんと駆動するのか、はなはだ怪しい。

時の流れ、文明の発達、どれもこじゃんと速い。

今や、スマホでも動画も音声も記録できるし

電送(今や死語か)もできる。
超便利だけれど、ついてゆくだけで息切れするほど速い。

 

ま、それはともかく、その鮮明画像のDVDが欲しいと

シアターに来てくれた元団員たちから申し込みがあり、

計20枚を注文し、舞台写真を使って

レーベルやパッケージカバーもこしらえて仕上げた。

見た目にも嬉しくなる1本になった。

 

仕上がったDVDの画像をチェックしながらつくづく思ったことがある。

それは、この「RYOMA」への取り組みは、

私の人生にとっても、やっぱり大きな財産なんだなあと、

改めて思った。

 

この「RYOMA」は、1989年、

高知市の市制100周年を記念して制作された、

市民ミュージカルの記念すべき第1作である。

もう26年も前のことになる。

 

当時、私は30歳代。

7年半の「ぐうぴいぱあ」の音楽活動を停止したのち、

私は、約2年を費やして、この「RYOMA」にかけた。

製作委員会の一人として、様々な提案をした。

ミュージカル・スクールをまず開講して

2期に分けて生徒を募り、オーディションを経て、100人の劇団をつくる…

そんなプランを立てた。

 

今から思えば、実にとんでもない企画。

が、なぜか全然心配してはいなかった。

自分を信じていたのだろう。

言いかえれば、要は、自惚れていたのだろうと思う。

しかし、高知の若者たちは、それにきちんと答えてくれた。

ミュージカル・スクールの1期生には

定員の倍、140人が応募してくれた。

城西中学校の体育館いっぱいに広がって準備体操を始める景色に

1年後の成功を、簡単に想像した。

 

が、実際は、そんなに簡単な訳がない。

台本も公募、スタッフはすべて高知の人間。

「All Made in Tosa」を目指した私だった。

けれど、その主人公たちはズブの素人。

この高知では「ミュージカル」など遠い世界。

それは私も同じこと。

その分、実に手間ヒマかかったのだった。

東京、大阪にも足を運び

「ミュージカル」なるものを何本も見た。
が、当時、時代劇ミュージカルなどない時代。

余計に困ってしまった。

 

私の役割は、楽曲プロデューサー兼劇団座長…

聞こえはいいが、何でもやらなくてはならなかった。

無論、日中の勤務を終えてからのことばかり。

私のワゴン車には、練習場で使う重たいスピーカーとアンプが積みっぱなしで

毎回、体育館に運び込んでセットして、みんなを迎える。

夜の九時に終えて片づけて電気を消して鍵閉めて、

また音響機材を車に載せて。

それから演出陣との打ち合わせがあって、

次回分の資料作成があって、

深夜には作曲の作業が待っている。

 

やっぱり体のほうが悲鳴を上げた。

古傷の十二指腸からの出血。

本来なら「即入院」となるほどだった。

「仕事以外のことのせいで」休む訳にはいかなかった。

でも苦にはならなかった。頑張れた。

それは何よりも、団員のみんなの瞳の輝きが

それを支えてくれたからだった。

本当にそう思う。

 

…この「RYOMA」の話は、し始めると終わらない。

思いがあり過ぎて、事件もエピソードも、トラブルも

衝突も和解も、困ったことも、泣いたことも、嬉しかったことも。

いっぱいあり過ぎて、語り尽くせない。

それは、K‘sシアターに来てくれた、元団員だって同じだろう。

同じ時を同じ目的に向かって

しかも700日もの間、共に生きた経験は、まさに宝物だ。

 

が、その宝物って、
どこかのロッカーに鍵をかけてしまっておくものではない筈だ。

時々取り出して、「ふふふ…やっぱりこれがいいわい」と

ニヤニヤしながら愛おしく眺めるものではないと思う。

その宝物のような経験を力にして、
また別の財産や物語を作り上げてゆく元資でなければならないと思う。

さて私は、それが出来ているだろうか。

今まさに、遠ざかってしまった輝いた日々を

懐かしがる老人になってはいないか。
その疑いは、このところ、10数年も前の自分の演劇作品を上映するという、

「K’sシアター」の度に自分に向けられる。

 

懐かしがるのは決して悪いことではない。

しかし、その当時の輝きをまぶしく思い

今の自分から見てそれを羨ましく思う自分でありたくないのだ。

言わば、今も輝いている自分でありたいのだ。

 

けれど、音楽や舞台だけでなく

自分がやって来た仕事や活動

そこから生れた多くの音像、映像、著作や資料など

それらのすべてが束になって自分に襲いかかってくる。

「今は何してるの?」「元気でやってる?」「次は何するの?」と

問いかけてくるのである。
その度に、「もういい加減やってきたし…」とか、「少し楽がしたいんだよ」などと

返事がしたくなる。

が、その一方で「オレだってなんかやりたいさ」とか、

「でも、何やっていのかわからないんだよ」と反論したくなるし、

「ま、やるにはやってるんだけどね」とか、「一応、予定はあるよ」などと

言い訳けめいて説明したりする自分がいる。
そうやって過去と現在の自分が、論争するのだ。

難儀なことだ。

 

現在の自分と、過去の自分との対話。

…こう言ってしまうと、ちょっとカッコいいが

やはり、振り返りながら考えることが増えた気がする。

逆に言うと、その昔、振り返ることなどしなかったのかもしれない。

走っている時は、前しか見えない。

ゆっくり歩けば、視界が広がる。

立ち止まれば、振り返って後ろの景色が見える。

…そういうことなのかもしれない。

 

振り返ることはできても、過去には戻れない。

もう一度、「回れ右」をして、

前を、しかも遠くを見てみよう。
今まで見えなかった景色が見えてくるかも知れない。

26年も前の「RYOMA」は
それを教えに来てくれたようだ。

2015.8.3

 

 

▼エッセイへのご感想をお書きください。

(注)文章の内容がこの欄にふさわしくない場合には、掲載しない場合があります。ご了承ください。

コメント: 5
  • #5

    みかりん (木曜日, 06 8月 2015 00:25)

    私は、団員の1人として、かずおさんと共に参加させてもらって良かった~って思いました。まさか、あの時にかずおさんが、病気を患ってたなんて思いもよりませんでした。改めて、「まっことごくろうさんです。」そして、宝物を有り難う~ございましたm(__)m

  • #4

    レッド (水曜日, 05 8月 2015 22:37)

    フェアリーさん、さすがっ!
    エッセイ一周年なんですね(^^)
    2014.8.4スタートなんですね(^^)

    第55話、これからも、5ー5ー!GOGO!
    おっとっと、夏の夜の寒いギャグ、失礼しました(^_^;)
    あったかいKAZUOさんのエッセイ、楽しみにしています(^^)

  • #3

    フェアリー (水曜日, 05 8月 2015 11:54)

    あ!
    大事な事忘れてました。
    エッセイ一周年おめでとうございます*\(^o^)/*

    これからも 楽しみにしています♪

  • #2

    フェアリー (水曜日, 05 8月 2015 05:41)

    しまむらかずおさんて、何者?
    やっぱりそう思います。

    何も無いところから
    いろいろな世界を創り出していく。
    それも、自分一人でするのではなくて、大勢の人にまだ見た事も無い世界を伝えて、想像させて、一人ひとりに役割り持たせて、結果的に達成感、充実感、そして
    それらを「宝物」として持たせてあげる。
    26年経った今でも
    出演された方の誇らしげな笑顔が羨ましくて仕方ないです。

    だから、言わずにいられない。
    「次、何やるが?」

  • #1

    あっぷる (火曜日, 04 8月 2015)

    「宝物のような経験を力にして、別の財産や物語を作り上げていく原資…」、うわっ、素敵な表現と思いました(^^)

    そして、最初にタイトルを一つひとつ見た時も、「さすがKAZUOさん、曲としても、これどんな曲か聞いてみたくなるタイトルだなぁ。」って思いました(^^)

    K'sシアターに初めて参加させてもらった時のナビゲーターさんの言葉が蘇ります。
    「いろんな楽しいこと面白いこと、考えさせられること、そんなことをいっぱい見せてくれるしまむらさん。そのしまむらさんに、身近で関われる私たちは幸せですね。」
    といった感じの内容だったと思いますが、とても共感できたので、ナビゲーターさんの素敵な笑顔と共に、私の頭のDVDに鮮明に記録されています(^^)

    ***

    さてさて、「RYOMA」の後も、たくさんたくさんの原資を積み重ねられきたKAZUOさん♪♪

    まだまだ、楽しみにしています♪♪

    ウン十年前の作品をリメイク活用されたとしても、前後のトークや額縁が、今仕様でしょうから♪♪

    「残りの人生で、今日が一番若い」

    「回れ右」の先に、どんな景色が見えているのか、また、一緒に見せてもらいたい気がします(^_−)−☆




54-オモシロイ


第54話 「オモシロイ」  by しまむらかずお

  

 

オモシロイ話…。

あるところに、一匹の大きな犬がいたのです。

その犬は、顔は真っ白で、胴も白く、足も白い、

そして、オモシロイ…

 

…こんなんで、カンベンしてください。

おとといのライブ、結構疲れてまして

ちょっと精彩を欠いた書き出しでーす。

 

この土曜日に開いた「夏ライブ」。

本当に沢山の方、ご来場ありがとうございました。

目一杯、席は用意していただいたのですが

それでも足らなくて、ヨソから運んで来て何とかしのいだと

スタッフから聞きました。感謝です。

 

私たち「カノンズat.」としては久々のライブ。

いやー、楽しかったです。

音楽って、いいなあ、この仲間、いいなあ…と

つくづく思いながらの時間でした。

声も舌も絶好調で、よくしゃべりよく歌う私でした。

というのも、ベースの野村茂氏が1月に交通事故で入院して以来

胸の詰まるような日々を経て、ようやく出来たライブです。

彼もリハビリを続けながらの練習でした。

とにかく体力をと、毎日何キロも歩き続けたと聞いています。

彼にとっても私たちメンバーにとっても、

待ちに待ったと言うより、目標にした日だったのです。

目一杯、精一杯になるのは当然でした。

 

いやー、それにしても、2時間があっと言う間でした。

全部で13曲、最後まで一気に爆走しました。

お客さんも温かくて、本当にゲラゲラと笑ってくれるし

大きな拍手も、手拍子もいっぱいくれるし、

今までにも増していいライブになりました。

 

もちろん、これまでもいいお客さんに恵まれて来た私たちです。

帰りがけにもよく声をかけてくれます。

3回前の美術館ホールのあとは、「感動しました。」「良かったです。」と言ってくれました。

前回のラ・ヴィータの時は「楽しかったです。」と言う方が多かったのです。

ところが、今回はなんと、みんな一様に「面白かった。」って言うんです。

これって、ドーユーコト?

 

ウチのバンドって、いつからコミック・バンドになったんだ?

大真面目に人生を歌い、真摯な態度でラブ・ソングを歌う私なのに

ドーユーコト?

そう言えば、この間の私の「独唱ライブ」のときも

「面白かった。」って言う人が多かったなあ、

ソーカ! その原因は私のシャベリ?

いかんいかん、もっとムーディーにカッコよくしなけりゃ…

…いや、ま、お客さんが楽しんでくれてナンボだあ。

ま、イイカアー。

 

ということで、これからは、

間の話は「ほっ」としてもらって、歌は「ぐっ」とくるようにと

『ほっと・ぐっと』の路線で行こう。

両方ともダラダラするのは良くないさ。

かのライブの王者「スタ・レビ」(スターダスト・レビュー)の信条は

『高い音楽性・低い腰』なのだそうだ。

歌はきっちり、トークは楽しく…そうありたいものです。

 

それにしても一つの大きな山を越えた私たちです。

これから先は、10月23日のライブに向けて走り出します。

前回のエッセイにも書きましたが

「LIFE ON LIVE」と銘打ったリサイタル。

今度はさらに本格的な「ライブ」を目指します。

 

この高知でも、いくつかライブ・ハウスが増え

ちいさなスナックやバーでも、ライブが開かれることが多くなりました。

本当にいいことだと思います。

私もいくつか誘われるままに見せていただくことも増えました。

音楽がすごく身近に感じられて嬉しくなります。

けれど、あえて言えば、備え付けのセットやライトをそのままにして

いわば工夫や演出のないライブも多くなった気がします。

演奏や歌を聞かせるというだけでなく、もっと楽しませてよと

贅沢が言いたくなるのです。

ま、もちろん私も「天にツバ」ではありますが。

 

私の理想とするところは、

コンサートやリサイタルは、音楽を媒体にして

ちょっと普段とは違う世界に連れてってほしいのです。

それはアマ、プロを問いません。

逆に言うと本当にプロフェッショナルなプレイヤーは

何のライトもセットもなくても、どこかへ連れてってくれます。

だからこそ、私たちアマチュアは、照明や舞台セットなども目一杯工夫して

プログラムや楽曲を吟味して、トークやネタも用意して、

時には映像やサプライズも仕込んだりして、

それらの力を借りて、ひとつの世界を作ってゆかねば、

目の肥えた、耳の肥えた皆さんに納得していただけないのではないか

そうも思います。

 

そんなに大層なことしなくても、とも思わないではありませんが

今自分の持っている力のすべてを駆使して

一生懸命にやってみるのが大切だと思うのです。

それは何ごとでもそうありたいのです。

今できることを精一杯… 私はそうします。

 

という訳で、私はまたもや秋に向かって進みます。

どうぞ付いて来てくださいね。

次回は、ラ・ヴィータホールの特性を駆使したステージを作ります。

みんなが「あっ」とか、「うわー」とかと

言ってくれるのを楽しみにして。

 

そして、「ほっと・ぐっと」のライブで

またもや「面白かった」と言っていただける時間にしますから。

2015.7.27

 


▼エッセイへのご感想をお書きください。

(注)文章の内容がこの欄にふさわしくない場合には、掲載しない場合があります。ご了承ください。

コメント: 4
  • #4

    あっぷる② (水曜日, 29 7月 2015 06:23)

    夏ライブに参加したご夫妻から電話がありました(^^)

    「しまむらさんのコンサート、すごい良かったです!先のことやき、また電話しますが、10/23コンサート、弟夫妻にも聞かせてあげたいので、チケット4枚予約できますか?それから、女房も、何人か、ぜひに誘いたい人がいるみたいなので、また近くなったら、お願いの電話させてもらいますね。」
    「それから、しまむらさんにお会いすることがあったらお伝え願えますか?なんば花月のトークより、よっぽど面白いトークやったと…。」

    この場を借りて、お伝えしておきますね(^^)

  • #3

    あっぷる (火曜日, 28 7月 2015 10:02)

    「オモシロイ」のタイトルを見た瞬間、「尾も白い」を感想コメントに入れるか入れないか浮かんだんですが…。
    KAZUOさんに、先を越されていました(笑)

    夏ライブ、オモシロイ、コンサートでした。
    と言うより、オモシロイ、トークでした…かな?

    それぞれの歌は、ライブの生の声ならではの濃淡、厚み、深み、味のある声で、心に染み入りました(^^)

    終わっての帰路、心がほかほかしていました♪♪

    感覚的な感想でごめんなさいですが、いつも、心の琴線に触れてくれる感じがします(^^)

    「ライフ・オン・ライブ」、早くも楽しみにしています♪♪

  • #2

    みゅ (火曜日, 28 7月 2015 06:08)

    夏ライブ、お疲れ様でした。
    感想は……
    赤いドアの外まで、歌声、笑い声、拍手、手拍子…
    しまむらさんのトーク、聞こえてましたよ。
    盛大なライブでしたね。
    本当に、お疲れ様でした。
    m(_ _)m

  • #1

    フェアリー (火曜日, 28 7月 2015 06:01)

    「ほっと・ぐっと」なライブをありがとうございました*\(^o^)/*
    ベースの野村さんが今回のライブに向けて、どれ程の努力をされて来たかをお聞きし、しまむらさんの『お帰り〜」の声に胸が詰まりました。
    そして、メンバーの皆さんの笑顔。
    そんな優しい顔をして、ライブが始まると、1人ひとりの技術のすごいこと!
    コーラスのお二人の
    ♪ 春のうららの〜 の歌声にも感動しました。
    そんな感動と、うっとりの間のトークが「オモシロカッタ」です。
    内容もさることながら、メンバーと普通にステージで話してるような“掛け合い”って言うんですか?
    まるで遠慮のない
    いえいえ信頼しきっているから飛び出す本音トークに、大笑いしてしまいました。トークの技術こそ素晴らしい(笑)
    本当に仲がいいんだなぁと。
    メンバーっていいなぁって思いました。
    本当に、あっという間でしたね。
    この日を、楽しみに、待って待って、泣いて笑って感動して。
    非日常的な、別世界に連れて行ってもらった感じです。
    充実した時間ってあっという間に過ぎてしまうんですね。
    次のリサイタルは、また違った世界を展開するんですか?

    ラヴィータホールのステージ作りにワクワクする様子が目に浮かびます。
    その日を楽しみに暑い夏を頑張って過ごしますね。

    素敵な、秋になります様に♪

53-ライフ


第53話 「ライフ・オン・ライブ」  by しまむらかずお

  

 

10月23日に開く秋のリサイタル、そのタイトルがようやく決まった。

「ライフ・オン・ライブ」… ま、意味の取り方はさまざまでいいと思う。

折しも、今週末に迫った「夏ライブ」、

の準備の真っ最中なのに、10月のことを考える。

並はずれた私でも(笑)…、大変である。

 

チラシやポスター案の作成やロゴづくり、これもまた厄介である。

とはいえ、これほど面白いことは他の人になんか頼まない。

そんな先、歌が生まれてき始めた。

その秋のリサイタルの舞台美術を考えていると

そのオープニングのシーンが見えて来て

そこで歌う自分の歌が聞こえてくる。

いやー、実に天才ですなあ。(笑)

 

その歌のタイトルは、やはり「ライフ・オン・ライブ」。

声に出してみると、「ライオン・ファイル」…いやいや(笑)

その歌は、先日みんなで行った神戸の港を景色にして生れて来た。

『夕闇迫る 海に映る街の灯り…ゆらりゆらゆら揺れて ため息ひとつつく…』

私には珍しく、ブルージーな曲調である。

が、こんな曲は歌うのが難しい。

ていうか、味を出すのが難しいのだ。

もともと私の声は、高くて澄んだ純な声(笑)。

…錆びた感じなど出せやしない。

 

とはいえ、自分で作った曲だから、自分が歌えないでどうする!

という訳で、毎日ずっと歌っているのだが、なかなか自分のものにならない。

だけど、何度も歌っても、なぜか飽きが来ない。

きっと、なかなかのものに違いない(笑)。

 

歌の作り方は、人それぞれだ。

メロディーが先で、後で詩を割り当てる『曲先』(きょくせん)、

詩が先にあって、それにメロディをつける『詩先』(しせん)…など色々である。

昔のオフ・コースは、何と『オケ先』(オケせん=私の造語だけどね)。

「オケ」の語源は、オーケストラ。それが録音されたものを言い、

それに歌が入る前の音盤のことを、空のオケ…カラオケと言う。

実は、音楽業界の専門用語だったのだ。

それが今や世界の共通語になり、

カラオケは、ツナミと並んで最も有名な日本語なのだそうだ。

 

話を戻そう。そうそう、オフ・コースのことだ。

詩もメロディもない、要は歌がないままに、先にカラオケをつくるのだ。

譜面には『小田-4』などというメモだけで、タイトルもない。

そのレコーディングが終わって、メンバーは全員、「お疲れー」と帰ってゆく。

誰もいなくなったスタジオで、かの小田和正はそのオケをヘッドフォンに流しながら

何度も歌いつつ、そのオケにピタリとはまる歌詞とメロデイを作ってゆくのだ。

そのドキュメントをテレビで見た。

「なんて、オッシャレー」と思ったものだ。

 

で、早速私もやってみた。当時のバンド「ぐうぴいぱあ」で。

コード進行と譜割りを練習場の大きなホワイトボードに適当に書きしるして

リズムパターンとテンポを決めて演奏。

イトンロも間奏も、エンディングまで仕上げて、いにしえのラジカセにガッチャンと録音。

出来上がったばかりのカセットテープを車で流しながら夜の道を疾走。

誰にもはばからず、大声で歌い続ける。

若かったあの頃、何も怖くなかった…(笑)。

 

そうして仕上がった曲は、いつもの私の歌とは一味違うものになった。

このやり方は、滅多にしないが、結構面白いものが出来上がることがある。

この週末の「夏ライブ」でも歌う、「ファースト・レター」がその曲だ。

そう言えば、今の「カノンズ」の人気曲、「PASSION」も『オケ先』だ。

もともと、うちのピアニストの藤島さんのインストの曲(なんと「Kikiのテーマ」という曲だそうだ)から

そのメロディ部分を除いたものをカラオケにしてもらって、つくったもの。

 

原曲はもちろん知らない。

でも、タイトルからすると、可愛いかったはずのメロディーの、
その下に隠されていた、いや、私が勝手に感じた主人公のイメージは、

なんと、赤いライトに照らされて、唇にはバラを咥え、一心不乱に踊る踊り子の物語だった。

…そう感じたのだからしょうがない。

それにしても、何ともエロイ曲…(注:この歌を聞いた堀内佳氏の談)になったもんだ。

そんな意外性がまた面白い。

なお、エロく聞こえるのは、すべて藤島さんのせいだと言っておきたい(笑)。

 

私の歌づくりのほとんどは、知っての通り、『詩・曲、同時』。

一見、便利そうに聞こえるだろうけれど、めちゃくちゃシンドイ作業なのだ。

なぜなら、どんどんと歌い続けないと出来上がらない。

そうでないと、今出てきている歌は何の歌なのか、

主人公は誰なのか、いったいこの歌は何を伝えたくて生れてくるのか、

その姿が見えて来ないのだ。

だから、私の歌は、キザと言われても、

まさに「生れて来る」ものなのだ。

当然、「産みの苦しみ」はもれなく付いてくる。

 

そんなふうだから、一曲が仕上がる頃には、

すでに練習不要となるほどに、歌い込んでいることになる。

けれど、この「ライフ・オン・ライブ」は、

出来た後もずっと歌わないといけない歌なのだ。

 

歌には、こうやって随分と手間ヒマかけないと育たない歌があり、

生れてすぐに歩きだすほどに、オマセな歌もある。

力作、労作が、必ずしもいい歌になるとは限らないのだ。

「ホイチョイ」と生れた曲が、結構いい場合が多い気がする。

「RYOMAサンバ」や、「KAZUOは要りませんか?」などは

その類だったように思うのだが。

 

どんな子でも我が子は可愛いように、どの歌も可愛くて愛しい。

私から生れたそんな歌たちを、みんなも好きになってくれるだろうか。

この週末の「夏ライブ」では、生れたばかりの歌もご披露する。

ワクワクしつつ、ちょっと心配もある。

 

みんなと一緒に大いにライブを楽しみたい。

        (2015.7.23 


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コメント: 8
  • #8

    sakura (月曜日, 21 9月 2015 18:49)

    今日、おびさんロードの掲示板に
    LIFE ON LIVE のポスターを見つけました!
    なので改めて、このエッセイを開いてみました。
    なんと!ポスターが生まれ変わってますね!
    (まだポスターには なってなかったですが、エッセイに付いている写真がポスターになると思っていました σ^_^;)
    最初見た時は、すごいカッコいい(*^^*)
    と思ってたのに、新しいポスターはもっと洗練された感がしました。

    「LIFE ON LIVE」の曲の方も成長してますか?
    あと、約一ヶ月になりましたね。

    とっても楽しみです♪

  • #7

    花ちゃん (火曜日, 28 7月 2015 11:08)

    ここ最近のエッセイは、
    歌への舞台への情熱が
    キラキラと伝わってきます。
    しまむらさんが
    一番楽しんでいるってことが、
    聴く側にも一番嬉しいです☻!
    必ずまた、いつか行きたいです。
    それが近い日なのか遠い日なのか、
    3人目も生んだ後なのかは笑
    分かりませんが...
    しまむらさんを通して出会った
    経験、仲間、音楽...
    私のまだまだ浅い人生の
    大切な大切な数ページです。

  • #6

    あっぷる:サード (土曜日, 25 7月 2015 07:12)

    「ライフ・オン・ライブ」

    これほど書かれたら、早く聴きたくなるじゃないですか(^^)
    それが、10月ですって⁉︎
    見せびらかしも、はなはだしいですねぇ(笑)

    …と、書いた私(^_^;)

    明日を楽しみにしつつ、10月のお楽しみもありがとう♪

    …と、書いていたフェアリーさん(^^)

    “なかなかのもの”が、秋のライブまでにどんな風に成長するのか楽しみにしています。

    …と、書いていたsakuraさん(^^)

    ***

    自分の心の狭いコメントを反省しました(^_^;)

    そして、素敵なコメントたちに、あったかさを感じました(^^)

    KAZUOさんの周りの素敵な方々にも出会えていて良かったなと、改めて感じました(^^)

    ***

    ではでは、KAZUOさん、今日の夏ライブ、とってもとっても、楽しみにしています♪♪

  • #5

    sakura (土曜日, 25 7月 2015 01:04)

    「ライフ オン ライブ」まさに
    しまむらさんの生き方ですね。
    ライブではいろいろな事を歌にして伝えながら、周りの人たちに幸せの種を配りながら、そうやって生きて来られた。
    他の人には、そうそう出来ない生き方ですよね。

    この度は、ブルージーな曲が生まれたとの事。
    “なかなかのもの"が秋のライブまでにどんな風に成長するのか楽しみにしています。


  • #4

    フェアリー (土曜日, 25 7月 2015 00:31)

    もう何十年?も歌を生み続け、歌い続け、思いを伝え続けている“しまむらかずおさん”をここまで来たら、もはや尊敬せずにはいられませんよね。
    【オケ先』の曲が何曲かあったにしても、ほとんどの歌がしまむらさん1人から生まれて来たもの。
    また、ファーストレターは“ぐうぴいぱあ”時代の産物なのに、今聴いても、ちっとも古くない。
    何なんでしょうね。
    singerの中でも歌ってますが
    本当にしまむらさんの才能は『誰かがくれたプレゼント』なんでしょうね。
    あなたから生まれた可愛い歌達は、長年たくさんの人を癒し、勇気付け、元気にしてくれています。
    たくさんの方々から愛されてますよ(*^^*)
    明日の夏ライブを楽しみにしつつ、10月のお楽しみもありがとう

  • #3

    あっぷる:セカンドレター (金曜日, 24 7月 2015 21:00)

    「PASSION」

    「オケ先」という言葉は初めて聴きましたが、藤島センセの曲が気に入って、曲を頂いた話は、よく話されていましたね♪♪

    その事を知らなかったファンさんから、「しまむらさんにしたら珍しい曲調やねぇ。これもえいねぇ。」と言う感想を聞いたことがありました(^^)

    とにかく、人気曲の一つ。

    藤島センセに出会えたからこその曲ですね♪♪

    なんだか、この言葉が頭に浮かんできました(^^)

    「人生は出会いのつくる物語」



    夏ライブには、しまむらかずおさんの歌を聴くのが初めての方々とも行きます♪♪

    歌もトークも、いろいろ、楽しみにしていますね(^^)

  • #2

    ぴあの (金曜日, 24 7月 2015 17:52)

    心にグッとくる歌も、キュンとするような恋の歌も、
    しまむらさんの曲は、全部大好きですが、
    それぞれの歌に、物語があり、背景があり。
    だから、CDで聴くより、その前の語りも聞ける、ライブ=生!が
    とっても楽しみなんです。
    明日も、とっても楽しみです。

  • #1

    あっぷる (金曜日, 24 7月 2015 06:03)

    「ライフ・オン・ライブ」?
    これほど書かれたら、早く聴きたくなるじゃないですか(^^)
    それが、10月ですって⁉︎
    見せびらかしも、はなはだしいですねぇ(笑)

    「オケ先」?
    これも、どんな曲になったか、知りたくなるじゃないですかぁ‼︎
    と、思ったら、お答えがあって、ホッ(笑)

    「ファーストレター」?
    ふーん…、意外な気がします。
    あの素敵な歌詞たちが、後から生まれたなんて⁉︎
    「好きと一言、書けなくて…♪」
    ウブでけなげで、控えめな感じが大好きです(^^)
    夏ライブで、改めて、「オケ先」を思いながら聴くのを楽しみにしています♪♪

52-アニバーサリー


第52話 「アニバーサリー」  by しまむらかずお

 

 

アニバーサリー …記念日のこと。

前回の第51話で、「7月8日はブランコ記念日」と書いた。

梅雨の晴れ間のその日に、お手製のブランコが出来上がる。

…その筈だった。

 

ところが、何ということでしょう。

天気予報ははずれ、雨がショボショボ。

仕上げのペンキも濡れないし、

吊りヒモの長さも決められない。

それでも、日よけのテントの下で出来ることはやってみたのだが

金具の不具合もあって、また買出しに。

結局、仕上げの作業は、翌日に持ち越した。

 

一転して今日は晴れ。

けれど、湿度100%で、しかも無風。

流れる汗をぬぐいながら、

ちょいちょいクーラーを効かせた部屋に出入りしつつ

先程、一日遅れでようやく完成。

そこで、訂正。

「ブランコ記念日」は、7月9日に変更させていただきたい。

 

記念日については、私の車のナビが

毎日、今日は何の日、と教えてくれる。

今朝は、「今日はジェット・コースターの日です。」と声を上げた。

1955年、後楽園遊園地が開場。

その目玉が日本初のジェット・コースターだったという。

正式には、「ローラー・コースター」というのだそうだ。

 

前回のエッセイを書いた日は、実は「サラダ記念日」だった。

『「この味がいいね」と君が言ったから7月6日はサラダ記念日』。

歌人・俵万智の代表作で、同名の歌集は280万部を売り上げた。

 

ちなみに、翌7月7日は、もちろん「七夕」。

ベガとアルタイルはどうやら会えずじまいだったようだ。

また来年のこの日まで、切ない遠距離恋愛。

可哀想にねえ。

今の人なら耐えきれないで、とっくに新しい恋人を作っているかも。

 

で、7月8日は何の日かなと調べてみると

何と「質屋の日」。

単なるゴロ合わせで、フッって笑ってしまった。

 

今日、7月9日は、森鴎外が亡くなった日で

浅野ゆう子、細野晴臣、トム・ハンクス、草薙剛の誕生日だそうだ。

 

こうしてみると、やっぱり毎日が何かの「記念日」。

嬉しい日だったら、憶えていたいよね。

「初めて〇〇した日」だとか、「○○が出来た日」だとか、

…昔はいっぱいそんな日があった気がする。

今もホントはあるのだろうけれど

憶えていない、すぐに忘れてしまう、平和な毎日。

なんだかつまんない。

 

さ、そんなこと言ってないで

記念日をいっぱいつくろっと。

毎日を精一杯生きてさあ。

小さな出会いを大切にしてさあ。

毎日を「○○の日」にしてしまおうよね。

 

ところで、明日、7月10日は

「納豆の日」なんだって。

ちょっと笑ってくれる?

(2015.7.9)

 



▼エッセイへのご感想をお書きください。

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コメント: 4
  • #4

    レインボー (金曜日, 10 7月 2015 20:18)

    今日、車に乗ったら、「今日は納豆の日です。」と言ったので、笑ってしまいました(*^^*)

    晴れ間もいっぱいあった今日、お姫様たちのブランコ試乗も、順調にできたのかな(*^^*)

  • #3

    あっぷる (木曜日, 09 7月 2015 21:28)

    あははっ、7っ10く…、もとい、納得、納豆の日(笑)

    今日は、「KAZUOさんちのブランコ記念日」なんですね♪♪

    お姫様たちが喜ぶ笑顔が楽しみですね〜(^^)

  • #2

    カノン (木曜日, 09 7月 2015 14:33)

    わーい ブランコ
    可愛い*\(^o^)/*
    きっと 姫様達 大喜びですね♪

    ゆーらり ゆーらり
    姫様達の笑顔が揺れて、
    じぃじぃの笑顔もほころびますね。(o^^o)
    7月9日
    ブランコ アニバーサリー
    おめでとうございます☆

  • #1

    みゅ (木曜日, 09 7月 2015 14:32)

    今、まさに
    このブランコに乗り
    いろんなことを自答自問したいです
    (◎-◎;)

    疲れ果てました。+゚(゚´Д`゚)゚+。

51-ブランコ


第51話 「ブランコ」  by しまむらかずお

  

 

♪何も言わないでいると、胸が苦しくて

何か喋ってしまうと、あなたが行ってしまいそうで

だからブランコに揺られながら、知ってるだけの歌を

歌い続けているだけの、そんな私のそばで

何にも言わずに煙草吹かすあなたの、冷めた横顔が辛くて

遠い街灯りが、私の涙で滲んでしまうから…

ゆーらり、ゆーらり、ゆーらり、ゆられて

ゆーらり、ゆーらり、ゆーらり、ゆられて…

 

「ぐうぴいぱあ」の人気曲、「ブランコ」の一節である。

いわゆる「恋愛初期」の女の子の、ほろ苦くて甘酸っぱい心の景色。

切ないほどのウブさが、何とも言えず愛しくなる。

 

この歌を書いたのは、30歳そこそこの頃。

まだ若いとはいえ、30にしては幼過ぎる気もする。

でも、これがなかなか捨てがたい曲で、リクエストもあったことから

今も「カノンズ」のレパートリーの中にしっかりと入っていて、

今度の「夏ライブ」でも、歌うことになっている。

ボーカル4人のハーモニーに乗せて

恥ずかしげもなく、開き直って歌おうと思っている。

 

先週、ちょっと時間が出来たので

例によって、DIYの店をいくつか回った。

そのうちの1軒で「単管」を見つけて購入してきた。

単管とは、建築資材の一種で、

よく足場などに組み上げられる、単管パイプのことである。

直径5センチほどの鉄製のパイプ。

mを1本、3mを2本、2mを2本…これが結構重い。

それらを必要サイズに切って、チュコレート色に塗装した。

実は、庭にブランコを作ることにしたのだ。

 

このところ、うちの姫たちがよく訪れてくれる。

家に上がるやいなや、ウッドデッキに出てシャボン玉を吹かす。

横一列に並んだ3人の小さなお嬢様が

本当に楽しそうに夢中でフーフーとやっている。

噴き出されたシャボン玉はそれぞれに七色の光を帯びながら

風に吹かれていくつもいくつもフワフワと流れてゆく。

いい景色だ。

見ているだけで幸せな気持ちになる。

 

けれど夢中になるのも早いが、飽きるのも早い彼女たち。

容器をほっぽって、また部屋に上がってゆく。

庭に出てもいいようにと、日よけのテントで庭を覆っているのに

庭には降りない。

なんだか悔しい。

 

そこで、その庭のど真ん中にブランコをと

思いついてしまったのだった。

彼女たちが帰った夜。

デッキの椅子に腰かけて薄暗い庭を眺めながら

「さてと、どんなにするべーか」と思い描く。

これが結構楽しい。

作る作業ももちろん楽しいが

「どうすべーか」と考える時間のほうが面白い気がする。

 

ところが今は梅雨。

単管を塗り始めたら、雨。

柱一本立てたら、またもや雨。

この時期は作業に向いてない。

ま、すぐに出上がるよりも、

時間がかかるほうがホントは嬉しいのだけれど。

 

で、このところ、天気予報を毎日見ている。

梅雨の晴れ間を待つ …なんていい響き。

なんとか、あと一日晴れてくれれば出来上がりそうだ。

そうすると今度の土日に間に合う。

 

私の中の映像には

出来あがったブランコに乗って

笑顔いっぱいの姫たちが見える。

奪い合いで、「カワリバンコー!」と叫ぶ声まで聞こえる。

単なる、親バカ…いや、ジジバカである。

 

とはいえ、大切な命がぶら下がる。

だから、危なくないように、との配慮から

徐々に資材の量が増えてゆき

今は庭いっぱいに材料が広がって、雨に打たれている。

早く晴れてくれー!

 

作業の工程は既にシュミレーションを終えている。

後は、組み上げて、ボルトを締めて、支柱を立てて、

木製の乗り台に12mmのヒモを通して、ぶら下げて…

だから、早く晴れてくれー!

 

それにしても、そのブランコで楽しく遊んでくれるのは

いったい幾つまでなんだろう。

たとえあと5年も遊んでくれたとしても

それは、あっと言う間の短い間なんだろうなあ、とふと思う。

子どもの成長は早い。

興味はどんどんと移り変わり、広がってゆく。

それは当たり前だけど、子どもたちの成長は嬉しくて淋しいものだ。

まだそのブランコの枠さえも出来てないのに

そんなことを思ってしまう、いよいよもって貧乏症のワタシ。

 

私たち大人の出来ることは、たかが知れている。

ましてや、歳喰った者たちが出来ることは、もっと小さくて短い。

けれど今、私たちができることは、やっておかねばならない。

思いつくこと、気がついたこと、できること…

それらを言葉にして伝え、カタチにして体験させてみる。

みんなで寄ってたかって、それぞれの思いを伝えよう、育てよう。

 

天気予報では明日は雨。

七夕の日なのに、ベガとアルタイルは会えそうにない。

あさってが晴れだという。

7月8日は「ブランコ記念日」になる。

 (2015.7.6)

 

 


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コメント: 6
  • #6

    レインボー (木曜日, 09 7月 2015 06:25)

    ゆらり、ゆらり、心揺れて…。

    …なぁんてことなく、無邪気に揺れるお姫様たちのブランコできましたか?

    私も、そんな無邪気にあこがれながら(笑)、ブランコ写真のアップを楽しみに待っています(*^^*)

  • #5

    セピア (水曜日, 08 7月 2015 22:24)

    あの〜フェアリーさん
    逢えない“時間が" ではないでしょうか?
    多分 同世代として、私も好きな歌でしたから(*^^*)

    いい歌は何年経っても、やっぱり心に残っていたり、今聴いても古びた感が無いですよね。
    「ぐうぴいぱあ」の“ブランコ”をオレンジホールで聴いた時、なんて切ない、でも好きな人の側に居る幸せな気持ちを
    ゆーらり ゆーらり
    のハーモニーに乗せて心地よく聴かせてくれるんだろうと思ってました。
    また、ライブで聴けるんですね!
    7月25日、楽しみに行きます。

  • #4

    カノン (水曜日, 08 7月 2015 18:40)

    7月8日
    「ブランコ記念日」になりましたか?
    ぜひ、姫様達の笑顔と一緒にアップして下さいね (*^^*)
    楽しみにしています。

  • #3

    フェアリー (火曜日, 07 7月 2015 21:16)

    ♪会えない気持ちが“愛”育てるのさ〜
    KAZUO様を前に 郷ひろみなんざ…ですが、
    雨に負けるな!ベガ!アルタイル!
    と声援を送りたい。
    そして、雨男をなかなか返上出来ないでいるKAZUO様が、可愛い姫様達を思いながら
    お庭にブランコを手作りしている。
    何とも素敵なお話ではないですか。
    どうか、雨に負けないで思いを届けて欲しいです。

    という、私の願いを叶えて下さい。
    -七夕に寄せて-

    久しぶりにエッセイが上がった
    *\(^o^)/*と、思ったらメルヘンな感じで。
    七夕に会えて嬉しいです。

  • #2

    あっぷる (火曜日, 07 7月 2015 13:27)

    7/8、ブランコの日、そうなんですね(^^)

    私の車、毎日、「今日は○○の日です。」って言うので、7/8、楽しみにしておきます(^^)

    夏ライブ、アコースティックだから、「ブランコ」聴きたいなぁなんて、心の中でリクエストしてたから、「やったー!」です(笑)

    さてさて、グランパ作のブランコを楽しむお姫様たちが、ブランコの歌のような恋をする時まで、KAZUOさん、お元気で(^_−)−☆

  • #1

    ぴあの (火曜日, 07 7月 2015 12:44)

    お姫様たち、とっても喜ぶと思います。
    喜ぶ姿を想像しながら楽しんで。
    喜ぶ姿を見て楽しんで。
    楽しみが、幸せがまた広がりますね。