しまむらかずお&カノンズSP  ソング・リスト

その⑤  「ま行」~「や行」~「ら行」 = 紹介終わり。

 33. 前へ…福島からのありがとう

 ♪じゃあまたね そう言って別れた…。被災地へのピアノの第1便が届いたのは大熊町の小学校でした。大熊町は第1原発のある町。その町の人たちは、原発爆発の直後、海岸から100㎞も離れた会津若松市に役場ごと避難しました。子どもたちは廃校になった学校で、今も授業を続けています。ピアノが届いたお礼状とともに、6年生の子どもたちが書いた歌詞が届きました。「しまむらかずおさんに、歌にしてほしい」との添え書きがありました。立ち入ることもできないふるさとを持つ子どもたち、その気持ちにポロポロと泣きながら歌にしました。この歌はその子たちの卒業式で披露されました。私も式に招待されて出席しましたが、「本当なら同じ中学校に行けたろうに」と、涙が止まりませんでした。

 

 34. みどりの芝生

 ♪思い浮かべてごらん どこまでも青い空…。奈良県の保育士さんが集まる「やさしくなろうコンサート」の際に、「今の保育士は疲れてるから、癒してほしい」と言われて、生まれた歌です。「癒す」って難しくて、励ましたり、元気づける、とも違うようで、実は何が癒しになるのかは今でも分かりません。でも、自分よりゆったりと大きなもの、自分より小さな可愛いもの、そんな中にあるのかなと、漠然と思います。そして、結局は自分の身近なものへの「気づき」が要るのかな、と思ってこんな歌になりました。

 

35. ムーン・ウォーカーの恋だから

   ♪春色に咲き誇っていた 桜がいつの間にか…。

 この曲の最後のほうに「いくつになっても恋は恋」というのがあります。その通りです。ムーン・ウォーカーとは、かのマイケル・ジャクソンのそれを指します。要は「前向きにあとずさり」。それが私の恋のパターンにそっくりです。歌ができた時は、ど・フォークって感じでしたが、カノンズではこれが「スカ」っていう、リズムが後打ちの曲にアレンジされて、とっても楽しいポップな歌になりました。

 

  

36. Moonlight(ムーン・ライト)

 

 ♪たそがれ時を過ぎて 夕闇がまた降りてくる…。そんな時間が過ぎて、青い月の光に照らされる二人。それだけで何か起こりそうですよね。気持がぐっと盛り上がって、普段は言えないことを口走ってしまうとか。そんな戸惑いが溢れる歌です。ブルーなライトが良く似合う曲になりました。ゆっくりとミラーボールが回りそうです。

 

 

 

37. やさしくなろう(ソロ)

 

 ♪やさしくなろう もっと素直になろう…。そのあとに、「嫌われるのが怖くて またひとつ嘘をついた」と歌います。この歌は、もう25年も続けている「やさしくなろうコンサート」で必ず歌う歌で、各地の学校や文化ホールの参加者と、最後は大合唱となる歌です。「優しくするのは簡単です。でも、優しくなるのは難しい」、そんな思いを伝える歌です。私の曲の中でおそらく、一番沢山の方々に歌われた歌だろうと思います。 

 

 38. 雪のロンド

 ♪古い扉をそっと開けて 思いっ切り甘えたい人がいる…。 こんな歌をつくろうとか、このことが歌いたいとか、そんな「つもり」がない時でも、歌は生まれてきます。この歌もそうでした。湧いてくる歌をずっと歌い続けてゆくと、その景色や人物が見えてきて、少しずつ物語になってゆくのです。その後で考えてしまいます。この歌の「思いっきり甘えたい人」って誰なんだろうと…それは親父でした。私が、たった3カ月の時に出て行ったきり帰って来なかった人です。私の人生の中でたった2回しか会えなかった人、なのに愛しいのは何故なのでしょうか。あなたにも、もう一度会いたいのに、会えない人がいますか? それは誰ですか?

 

39. RYOMAサンバ

 ♪青い土佐の海を見てると あなたに会えるような気がする…。

  もう30年も前、「坂本龍馬生誕150年」の年があり、高知県下で様々なイベントがありました。その中に、「龍馬音楽祭」があり、龍馬にちなんだ詩や曲の公募がありました。海外を含む全国から600曲近くの作品が寄せられ、そのうち10曲が選ばれて、オレンジホールで審査会が開かれたのです。当時のバンド「ぐうぴいぱあ」の作品として、この曲は「龍馬のうた大賞」を頂戴しました。そののち、スガ・ジャズダンス・スタジオの国友須賀先生の振付もついて、広く県下で踊られ、小学校の運動会などでも盛んに取り上げられました。私の曲の中で、最も多く使われた曲だろうと思います。何度歌ってもやたらと盛り上がる不思議な曲です。

 

40. ロンリーナイト・ららばい

 ♪独りの夜には ぬいぐるみ抱いて…。

  あなたは一人暮らしをしたことがありますか? 淋しかったですか? それとも伸び伸びしてましたか? 自由は孤独を伴い、愛情は束縛を伴うものなのです。この歌詞はなんと私が19歳のときの詩です。若さって、あっと言う間に通り過ぎてゆく、なんて儚い時期なのでしょうか。小さなことに怯え、ちょっとしたことで盛り上がる…ま、その点は、今もそれほど変わってませんが、それに勝る厚かましさが…いえ、自分を鈍感にしているのかも知れません。この曲は何となく、独りの時代への懐かしさを歌っているようにも思えます。

その①

「あ」行へ

その②

「か・さ」行へ

その③

「た・な行へ

その④

「は」行へ